25年ぶりに欧州大会不参加の可能性が高まる
※Goal.comのチャールズ・ワット氏の記事を要約したものです。
先日行われたトテナム戦に敗れたことで、アーセナルはプレミアリーグで9位に後退しました。残り3試合で4位のレスターとは9P差となっておりCL出場は絶望的です。
ELは2位を確定させてCL出場権を得たマン・Cがカラバオ・カップで優勝している事や、FAカップで準決勝に残るチームがシティ、チェルシー、マン・U、そしてアーセナルとなっており、アーセナル以外はリーグ戦でCL・EL圏内にいることから、このまま行くとプレミアリーグで7位のチームまでにEL出場権が与えられる可能性が高いです。
現在7位に着けているのはシェフィールドで、アーセナルとは4P差となっています。 残り3試合で4P差というのは、数字だけ見るとまだ可能性がありそうですが、アーセナルは次節リバプールとの対戦が控えています。
水曜日にアーセナルがリバプールに敗れ、木曜日にシェフィールドがレスターに勝利するとその時点でEL出場の可能性が無くなります。つまり、最短で今週の木曜日には来シーズンの欧州大会不参加が決定してしまいます。
アーセナルはFAカップで準決勝に勝ち進んでおり、ここで優勝すればEL出場権を得る事ができます。しかし、準決勝はシティとの対戦が決まっているため、こちらも可能性は低いと思われます。
仮にアーセナルがFAカップでも敗退した場合、来シーズンは25年ぶりに欧州大会に不参加のシーズンとなります。これは様々な面でクラブに影響を与えるでしょう。
EL不参加をポジティブに捉える人々もいます。来シーズンはミッドウィークの試合が無くなるため、アルテタがチーム作りに集中することが出来るからです。
また、過密日程が緩和されることから、選手達も十分に休養を取ることができます。最近ではチェルシーとレスターが欧州大会不参加の中でリーグ優勝を果たしています。
この様にチーム作りや選手の休養という意味では恩恵がありますが、財政面では大打撃です。クラブの2月決算では、2002年以来となる赤字に転落しています。さらに、未だ収束が見えないコロナ・パンデミックの影響をモロに受けています。
もちろん、財政面以外でも欧州大会に出場しないことでクラブの評価にも傷が付きます。アルテタも「アーセナルは欧州大会でプレーすべきであり、CLに出場すべきクラブだ。選択の余地が無かったとしても、全くプレーできないよりはELでプレーした方が明らかに良い」と語っています。
しかしながら、アーセナルにとっては財政面での影響が最も大きいのは間違いありません。この状況を受けて、オーナーのスタン・クロエンケ氏がクラブの財政負担を緩和させるため、資金援助を行ったことが明らかになっています。
アーセナルがエミレーツ・スタジアム建設費用として借りたお金を、クロエンケ氏率いるKSEからの融資を受けて早期償還しました。早い話が、金融機関から借りていたお金をオーナーから借りたことにする借り換えです。
早期償還のペナルティがあるため、実際にはアーセナルの借金は増えているのですが、プラスの面もあります。これまでアーセナルは、経営が悪化しても返済能力があることを示すため、口座に一定額の預金を残しておく必要がありました。
この準備金3,700万ポンド(約50億円)を使うことが出来るようになります。また、これまで支払っていた利息も減額されることから、財政面での負担が軽くなります。
ただ、これで夏の補強資金が増えた!という訳には行かないようです。解放された準備金はクラブの運営資金や選手やスタッフの給与に回されるため、補強資金はこれまで通り厳しいものになると見込まれています。
ELにはCLほどの利益はもたらしませんが、それでも今のアーセナルにとっては重要な収入源でした。これも無くなるとアルテタのチーム再建はますます厳しくなります。また、ELとCLでは収益に倍以上の差があることから、CLに出場しているライバルとの差がますます広がって行くことにも繋がります。
アーセナルのビジネスモデルと賃金構造はCL出場が大前提になっています。さらにはELにも参加できないとなると、スポンサー契約にも影響を与える可能性があります。
この他にもオーバメヤンとの契約延長や、クラブが獲得に動いているアトレティコ・マドリーのトーマス・パーテイ獲得にも悪影響を与えそうです。
(ソース:Goal.com)

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