ベンゲルがプレミアリーグの殿堂入りを果たす
プレミアリーグはサー・アレックス・ファーガソン監督とアーセン・ベンゲル監督の2名が栄誉の殿堂（Hall of Fame）入りを果たしたと発表しました。2020年2月に設立された同賞を監督が受賞するのは今回が初めてとなります。
ベンゲル監督は1996年10月に名古屋グランパスからアーセナルの監督に就任します。当時のイングランドのフットボール界で外国人監督は殆どいませんでしたが、その後ベンゲル監督は外国人監督のパイオニアとして数々の偉業を成し遂げます。
当時のアーセナルは堅固な守備で１点を守り切るプレースタイルでしたが、ベンゲル監督はチームに革新的な哲学をもたらし、魅力的で攻撃的なスタイルへと大きく変化させました。
そして初めてフル・シーズンの指揮を執った2年目の1997-1998シーズンに早くもプレミアリーグ優勝を果たします。
ベンゲル監督が行った改革はチームの改革だけに留まらず、海外から将来有望な若手を獲得するという移籍戦略も主導しました。その中で同じく栄誉の殿堂入りを果たしているティエリ・アンリやデニス・ベルカンプらを次々と獲得していきます。
その後、2003-2004シーズンにはプレミアリーグ記録となる無敗優勝を達成するなどリーグを席巻しました。
アーセナルで指揮を執った22年間でリーグ戦通算828試合476勝199分153敗という成績を残し、3度のリーグ優勝に加え1998年・2002年・2004年にはシーズン最優秀監督にも選出されました。
ベンゲル監督
「プレミアリーグの殿堂入りにとても感謝している。私はいつもサポーターに何か特別なものを提供したいと思っていた。また、驚異的な能力を持つ選手がいるのだから完ぺきを求めるのが義務だと思ってそれを重視していた。私はアーセナルを心から愛した人物として人々に知られることを願っている。クラブの価値観を尊重し、大きく成長させるよう努めてきた。」
ベンゲル監督がプレミアリーグで成し遂げた偉業
■リーグ史上最多となる828試合で指揮を執る。
■2003-2004シーズンに無敗優勝を達成。
■2003年5月から2004年10月に渡ってリーグ史上最長となる49試合無敗を記録。
■2001-2002シーズンにリーグ戦全試合で得点を記録し優勝する。全ての試合で得点を記録した唯一のチームとなっている。
■リーグ史上最長となる1996-1997シーズンから2017-2018シーズンまで22シーズンに渡りチームの指揮を執った。
■ロンドン・ダービーで106勝を記録。ダービーの試合数も64試合と最多。
（ソース：Arsenal.com）
アルテタ監督がベンゲル監督の殿堂入りを祝福
現役時代にベンゲル監督の指導を受け、現在はアーセナルの指揮を執るアルテタ監督が祝福のコメントを発表しています。
アルテタ監督
「私にはこのクラブでプレーするという夢があった。なぜなら、アーセンの下でプレーするアーセナルに魅了されたからだ。とても魅力的だったから、どんな選手でもアーセナルでプレーしたいと思ったはずだ！ 私は彼の下で最高に素晴らしい時間を過ごし多くのことを学んだ。
その影響もあって、私は引退後にコーチになることを決意したのだ。このままプレーを続けるか指導者としての道を歩み始めるかで迷っていたので、私の立場だったらどうするか聞いてみたんだ。
彼はクラブやアカデミーでバッジを取得するのを手伝ってくれたし、私にインスピレーションを与えて常にサポートしてくれた。彼は一緒に仕事をしてきた全ての選手やスタッフにインスピレーションを与えたと思う。」
ベンゲル監督がイングランドのフットボール界に与えた影響についても語っています。
「彼がイングランドのフットボールを別次元へ引き上げた。リーグをより良くするため、より多くの外国人選手に門徒を開くことに挑戦した。
彼の話し方やコーチとして伝えてきたこと、チームとしてのプレーの仕方など、世界のフットボール界に多大な影響を与えたと思う。
当時のどの監督より広い視野を持っていたと思うね。イングランドとプレミアリーグは今後もずっと彼に感謝し続けなければならないと思っているよ。
特にこのリーグであのレベルの安定感を維持するのは信じられないことだし、難しい業績の一つだ。サー・アレックスとアーセンの業績に続く者がいないので、今ではそれが可能かどうかさえ分からないよ。
同じスタッフや選手など常に同じ人間と一緒にいながら、それでも毎日なにか新しいことを考えて彼らに刺激を与え、ハングリーにさせる能力というのは驚異的だと思う。極めて稀で特別なクォリティだよ。」
（ソース：Arsenal.com）
