公式:ハインと新たな長期契約を締結
アーセナルは19歳のGKカール・ハインと新たな長期契約を結んだと発表しました。給与並びに契約期間は非公表です。
ハインは昨シーズンのEL6試合でスカッド入りしましたが出場機会はありませんでした。そして、今季のプレ・シーズンでトップチーム・デビューを飾っています。
クラブ・レベルではまだ出場機会に恵まれていないものの、既にエストニア代表に召集されており10試合に出場しています。
(ソース:Arsenal.com)
ハイン:ゆっくりだけど着実に成長できている
アーセナルと新たな長期契約を結んだハインが、今後の目標などについて語っています。
ハイン
「欧州屈指の伝統あるビッグ・クラブと契約延長することに大きな意味がある。とても嬉しいよ。アーセナルでのプロセスは長かったね。加入1年目は手首の怪我で長期離脱するという大変な時期だったけど、うまく乗り切ることができたと思ってる。
その次のシーズンは順調でU-23のチームで活躍することができた。そこから少しずつ代表にも呼ばれるようになったし、トップチームにも参加するようになってきたので、ゆっくりだけど着実に成長できていると思う。
僕の野望は最終的にアーセナルでプレーすることだけど、ハードワークをして成長を続けた上でチャンスを掴み取りたいね。
一歩ずつだけど日に日に居心地の良さを感じているんだ。良い感じのプレ・シーズンを送ることもできたし今シーズンが楽しみだよ。」
(ソース:Arsenal.com)
メルテザッカー主導によるアカデミー・プランの恩恵を受け始める
近年のアーセナル・アカデミーは、ブカヨ・サカやエミール・スミス・ロウを筆頭に優秀な若手を多数輩出する様になりました。
現在、アカデミー・マネージャーとしてクラブの育成システムを統括しているのがペア・メルテザッカーです。
football.londonのクリス・ウィートリー記者が、アーセナルはメルテザッカーによるアカデミーに関するマスター・プランの恩恵を受け始めているとする記事を執筆しているのでご紹介します。
アーセナルで現役を終えたメルテザッカーですが、その現役ラストの試合はベンゲルがアーセナルの監督として最後に指揮を執ったホームでのバーンリー戦でした。
その試合でメルテザッカーは後半に途中出場し短時間だけプレーしています。それから3年が経ち、今週末にはアウェーのバーンリー戦を迎える訳ですが、その試合にはサカやスミス・ロウといったアカデミー出身の若手がプレーすることを考えると、ベンゲルは自らが残したレガシーを誇りに思うことでしょう。
メルテザッカーは引退後にアーセナルでスタッフ入りし、現在はアカデミー・マネージャーとしてクラブ全体の構造改革や人材発掘を行うスタッフの統括を行なっています。
以前、メルテザッカーはクラブ公式HPで次のように経緯を語っています。
メルテザッカー
「ベンゲルとガジディスが私をこのポストに座らせたんだ。彼らから『ちょっと聞いて欲しんだけど、君との契約はあと1年だがその後もクラブに残る姿を想像できるかい?』と言われた。それで、僕としてはここに残れたら幸せだと常に思っていると伝えたんだ。家族もここでの生活に慣れているし、何より大好きなクラブに貢献したいという想いがあったからね。
彼らが僕を引き留めようとしたのはミケル・アルテタの例があったからだと思う。彼がマン・Cへ行ったのがその前年だったはずだ。
アーセナルも引き留めに必死だったけど声を掛けるのが遅すぎたんだ。それもあって彼らの中には『ペアにはクラブの一員として残って欲しい』という考えがあったんだと思う。
この話があった2週間後くらいに、彼らは僕をアカデミー・マネージャーにするというアイディアを出してきた。僕はこの件について妻と一回話し合ってだけで、これが自分のやりたい仕事だと判断したのさ。
僕がこの職務の役割についてや、期待されることを全て把握していたか?と言われたら、絶対にそんなことは無いよ。そこは自覚している。
でも、このクラブには若い才能を育ててトップチームに送り届ける能力に長けた、素晴らしいスタッフのいる最高のクラブだと思っていた。
だから、僕にとってもアカデミーは素晴らしいところであり、僕を歓迎してくれる同僚がいるだろうと考えていたんだ。」
メルテザッカーが獲得した選手
彼の下には尊敬すべきスカウトマンやアナリストが多数おり、彼らがリクルート活動に深く関わっている。
オマー・レキクやニコライ・モラー、アナス・サラー=エディン、ジョエル・イデホなどはメルテザッカーの下で引き抜かれてきた選手達だ。
メルテザッカーが契約交渉に加わることはあるのか?
答えはイエスだ。今夏もキド・テイラー=ハートやアーサー・オコンクォを説得し、契約延長にサインさせている。
カール・ハインは夏の間ずっと契約交渉が行われていたが、金曜日に契約延長が発表されている。
football.londonの取材によると、殆どのケースでメルテザッカーが『今後の見通し』を説明したこで、彼らが契約延長にサインするキッカケを作った。
メルテザッカーのビジョンは?
2019年にfootball.londonが行ったインタビューで次の様に答えている。
メルテザッカー
「敬意を行動や規範として語るのは簡単だけど、僕としては子供や親がスタッフにどう接するか、スタッフが子供にどう接するかという点でもの凄く重要なことなんだ。もし誰かがそういう面で敬意を払えなかったとしたら、それは僕にとって今後の課題だね。
躾の面で言えば、彼は一所懸命働いているか? 時間通りに来ているか? あとは謙虚さという要素もある。自分がどんなに優秀であっても、学んでそこから改善することを厭わない姿勢が大切だ。
尊敬・規律・謙虚という3つの言葉は僕達が目指していることに大きな役割を果たしていて、僕が影響力を持って強くなっていくための基盤なんだ。
僕の責務はクラブをより良くすること、そしてアーセン・ベンゲルのレガシーを引き継ぐこと、と言うのが僕自身の考えだ。
彼はクラブに対する周囲の期待感を高め、プレミアリーグ制覇が求められる立場というこのクラブのプロフィールを構築した人物だからね。
僕としては若者の人生に影響を与えたいと思っている。彼らが今後何をするにしても、その将来の一部になれれば良いなと思ってる。
と言うのも、15歳ー16歳でもの凄く才能溢れる選手であっても、フットボールの世界で成功することは殆ど無いという現実をこの目で見てきたからね。
だからこそ、大好きなスポーツでありチームスポーツであるフットボールを通して、僕は多くのことを学んだんだ。
僕はその利点を活かしてフットボールという枠組みを駆使したいと思っている。ゲームの制約上難しいことだけど、その中にリアリティを持たせたい。
時計の針を20年前に戻すことなんて出来ないんだよ。
ドイツの小さな町で生まれ育った僕が、今ではロンドンで180人の子供達の面倒を見ている訳だけど、彼らは自分のことをフットボールの世界で成功できる僅か1%に入る人間だと思っているんだ。
これが僕の日常的な仕事なのさ。どうやって彼らをマネージメントするか? 僕は嘘をつく事なく本当の自分のまま彼らに『君は1%に入る人間かもしれないね』と伝えている。
だって、誰もが自分は1%に入ると思っているんだ。エージェントも親もそして自分自身も1%の側だと信じてる。
そんな彼らにどうやって異なる道を歩ませられるんだい?」
(ソース:football.london)