■アルシャビン獲得に沸くアーセナルですが、アーセナルそしてイングランドのフット
ボールに適応できるかは未知数です。 そこで、東欧のフットボールに詳しいジョナ
サン・ウィルソン氏に聞きます…
ジョナサン、アルシャビンのアーセナルへの移籍はどれほど大きなもの?
「それはアルシャビンにとっても、とても大きなことだったと思う。 EURO
2008で、彼がスウェーデン戦とオランダ戦という2つのビッグ・ゲームのあ
と、彼は夏での移籍をかなり切望していた。 彼は、移籍するには一番良い
時期だと考えたんだろう。 それ以前に、欧州の部隊でプレー出来ると思っ
てなかったんじゃないだろうか。 つまり、彼が移籍を模索していたかもしれ
ないけど、ゼニトでCLがあるから残っていたんだと思う。」
「移籍交渉には幸運が足りなくて、交渉が始まってから直ぐに話が脱線した。
アルシャビンにとっても、この6ヶ月は大変だったと思う。 彼も気持ち的に萎
えたようで、ゼニトのここ7試合のうち5試合で先発から外れた。」
ロシアからイングランドへ移籍することに、どのような意義があるの?
「アルシャビンは27歳だし、彼が移籍しようと思ったら今しか無いと思う。
金銭的にはロシアに残っていても問題なかった、ロシアのフットボールも経済
不安が渦巻いているが、ゼニトはその嵐を乗り切れる2~3チームの一つだ
からね。 (選手の)給与を支え支出する為には、強力な後ろ盾が必要だ。
我々は最近のロシア・フットボール界をその様に見ている。」
「つまり、財政的には残っていても問題なかったけど、現実にはプレミアリー
グが世界最高のリーグだということだ。 そこでは露出も多いし記事になるこ
とも凄く多くて、アルシャビンにとっても自分の実力を証明する絶好の機会だ
し、その為にはロシア・リーグを出る必要があった。」
「私は色んな人たちから『彼はあの2試合で良いプレーをしただけだ』と
言う話をたくさん聞いている。 けど、彼がEURO2008のスウェーデン戦と
オランダ戦で素晴らしい活躍を見せたのは事実だ。」
「彼はEUROで3試合に出場したけど、準決勝のスペイン戦は期待外れだっ
た。 それは、マルコス・セナが彼を上手く封じ込めたからだけど、スペインは
ダビド・ビジャが負傷したあと4-1-4-1になったので、ロシアのフルバッ
クをバックアップする必要があった。 あの試合でロシアはフルバックを前へ
行かせるという方法をとった。そして、プレーメーカーには、周りで動いてい
る選手が必要だ。 アルシャビンはセナに完全に抑えられ、周りの選手を動
かすことが出来なかった。 チームとしてのシステムの失敗を、プレーメー
カーのせいにして非難するのは非常に安易なことだ。」
「つまり、私がアーセナル・ファンならあの試合でアルシャビンが活躍しなから
といって心配しすぎることはないだろう。 それよりも、前の2試合での完璧な
活躍に注目するよ。 彼はプラティニ以来のやり方で中盤を支配した。 正直な
ところ、プラティニの様に中盤を支配することは誰も出来ないと思っていた。
この点からも、彼が類稀な才能の持ち主だと言うことが分かると思う。」
「彼はスピードもあればキレもある、試合を読むのも凄く上手いし他の選手の
動きも瞬時に把握できるから、典型的なベンゲル(好み)の選手だと思うよ。
背は低いけどテクニックが優れているし、間違いなくトップ・クラスの選手だ。」
ロシア(代表)の様にアーセナルもフル・バックから押し上げることで、攻撃の
流動性を作っている。 アルシャビンのスタイルとも一致するよね?
「その通りだ。 アルシャビンがチームに加入し、同じスタイルで行くなら
彼は凄くフィットすると思う。 彼はアーセナルが浮上するキッカケになるか
もしれないね。 もし彼らがアルシャビンをそういう風に使えば、彼から周り
へボールが供給されるようになるし、チーム・メイトたちも色々と動けるよう
になると思う。」
セスクとロシツキーが戻ると、アルシャビンと同じタイプの選手が増えるけど…
「そうだね。 チームを見渡すと、アルシャビンが入れるのはフレブが居た
左サイドだけだろう。 彼の突破は凄く的確だから左サイドでもやれるけど、
ナスリ、セスク、アルシャビン、そして恐らくファン・ペルシがワイドにプレー
する4-1-4-1で凄くエキサイティングになるんじゃないかな。」
ロシア・リーグの開催時期が、アルシャビンがアーセナルで迅速に適応するの
に影響するだろうか?
「それは、彼にとっても問題かもしれないね。 11月以降、彼はプレーし
ていないから、状態が戻るのに2~3週間はみないといけないと思う。
アーセナルのファンは、来シーズンは戦力になっても今シーズンそうなると
は限らないことに気づかないといけないね。」
「アーセナルはウォルコット、セスク、ロシツキーと故障者を抱えているので、
アルシャビンがその穴を埋めてクリエイティブさをスパークさせる、という
前提で物事を考えるのは凄く安易だと思う。 彼らにとっては良いチャンスで
も、彼は直ぐにインパクトを与えられるとは思っていない。 なぜなら、ロシア・
リーグは11月に終わったけれど、その直前の彼はベストな状態でプレーし
ていなかったからだ。」
「彼は状態を維持していたけど、ゼニトのプレ・シーズン・マッチ3試合全てに
出場していない。 そのため、我々は彼が直ぐに活躍できると過度の期待をし
ないように注意しないといけない。」
「ただ、裏を返せばアーセナルが3月まで上位に喰らい付いていけば、一気
にアルシャビンのフィットネスも戻り、故障者たちも復帰してくるのでそこから
急上昇するかもしれない。」
(ソース:Arsenal.com )
移籍交渉で焦らされてフラストレーションが溜まったせいか、アルシャビンに対する
期待が凄く高いのは事実でしょう。 でも、1ヶ月以上も試合に出てないし、新天地
ですから試合に出て急にフィットすることはまずないでしょうね。
ウイイレとは違いますから(笑)
昔、ラツィオがウン十億出してメンディエタを獲得した時も、期待が大きかったぶん
活躍できないと分かったときのメンディに対するバッシングは尋常じゃなかったのを
覚えています。
まぁイタリアとイングランドでは国民性も違うと思いますが、ベンゲルも海外選手が
フィットするには2~3ヶ月掛かるのが普通だと言ってますし、来季を見据えて冷静
に長い目でみることが必要でしょう。
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