エジルが代表引退を表明
エジルがシンガポール遠征に帯同するのを前に、22日から23日にかけて自身のTwitterでトルコのエルドアン大統領に関する一連の騒動について公式声明を発表しました。そのなかで、「もうドイツ代表のユニフォームを着てプレーすることは出来ない」と語り代表引退を表明しています。
今回の騒動の発端は、W杯開幕前にトルコにルーツを持つエジルとギュンドアンがロンドンでエルドアン大統領を表敬訪問したところから始まります。ユニフォームをプレゼントしたり写真撮影を行いましたが、その時の写真をエルドアン大統領の政党がTwitterに投稿し、政治利用されてしまいます。これに対して移民問題などでトルコと対立関係にあるドイツで、エジルとギュンドアンに対する大バッシングが巻き起こり一大騒動に発展します。
エジルはずっと沈黙を貫いていましたが、W杯での低調なパフォーマンスから敗退の戦犯扱いを受けると再びエルドアン騒動が蒸し返され、激しいバッシングを受けています。そしてエジルはついに重い口を開き、自身のTwitterで3ページに渡る長文の声明を発表しました。
The past couple of weeks have given me time to reflect, and time to think over the events of the last few months. Consequently, I want to share my thoughts and feelings about what has happened. pic.twitter.com/WpWrlHxx74
— Mesut Özil (@MesutOzil1088) 2018年7月22日
II / III pic.twitter.com/Jwqv76jkmd
— Mesut Özil (@MesutOzil1088) 2018年7月22日
III / III pic.twitter.com/c8aTzYOhWU
— Mesut Özil (@MesutOzil1088) 2018年7月22日
以下はSKYスポーツが報じている声明の抜粋です…
「僕にとってエルドアン大統領と写真を撮ることは政治や選挙とは全く関係ないもので、家族のルーツに対して敬意を払ったまでだ。」
「僕の仕事はフットボールであって政治家ではない。僕達のミーティングには如何なる政治的意図もなかった。」
「DFB(ドイツ・サッカー協会)や他の多くの人達から受けた扱いを考えると、僕はもうドイツ代表のユニフォームを着たいとは思わない。」
「2009年の代表デビュー以来、僕が成し遂げてきたことは忘れ去られたようだ。僕は不必要なんだと感じている。」
「人種差別的なバックグランドを持つ人々は、家族が異なるルーツを持つ選手を抱える世界最大のフットボール連盟で働くべきではない。彼らの姿勢が選手達の考えを代表している訳ではないからね。」
「最近起きた出来事のためにもう代表レベルでプレーできないんだからね。沈んだ気分になるよ。僕に対する人種差別については軽蔑しかない。」
「ドイツ代表のユニフォームを着ることに誇りと興奮があったけれど、今はもうない。この決断はとても難しいものだった。チームメイトやコーチングスタッフ、そして善良なドイツの人々は常に僕に対していろいろなことをしてくれた。」
「DFB首脳の僕に対する扱いというのは、僕がトルコにルーツを持つことを軽視して利己的に僕を政治利用にすり替えているだけだ。もうそんなのはたくさんだ。僕はこんなことのためにフットボールをプレーしている訳ではない。人種差別は決して許されない。」
エジルはこのほか、今回の問題が起きた直後にレーヴ監督と共にDFBのグリンデル会長と会って経緯を説明したそうですが、会長は自分の見解を押し付けるばかりでエジルの意見を軽視したとも語っています。さらに、その会談のなかでW杯前ということもあってフットボールに集中するべきだとの取り決めがあったことから、エジルは一切メディアの前に出ず沈黙を貫いていたそうです。しかし、ドイツ代表が早々に敗退すると、会長はエジルはメディアに出て説明すべきだったと180度態度を変えました。
ドイツ敗退の責任を全てエジルになすり付け、スケープゴートにされたことがエジルは我慢ならなかったようです。
(ソース:Sky Sports)