コシエルニーが募らせたクラブへの不満
チームのキャプテンであるコシエルニーが、アメリカ遠征への同行を拒否したという発表はグーナーに衝撃を与えました。BBCによると、アーセナルとの契約が今シーズンまでとなっているコシエルニーに対して、リーグ・アンのボルドーやレンヌ、リヨンが獲得に動いていたそうです。ボルドーは3年契約をオファーしていたとのこと。
BBCのデビット・オーンステイン氏が今回の騒動の背景を分析した記事を執筆していて、このような状況になった大まかな流れが説明されていました。
まず、アーセナルとコシエルニーは昨シーズン終盤から契約延長へ向けた交渉を行なっていたそうです。おそらく、1年間の延長という内容だったと思われます。交渉は順調に進んでいましたが、ELで優勝できずCL出場権を逃したことで状況が一変します。CL出場権を獲得できなかったことはクラブの補強プランに大きな影響を与えていますが、現在所属している選手の状況をも一変させたようです。
コシエルニーは昨年12月にアキレス腱の怪我から復帰して以来、主に自身のプレー・スケジュールの管理や方向性、クラブの動きに対して不満を募らせていたらしいです。コシエルニーとしてはCL出場権を獲得できれば、自身とクラブの双方にとってより良い未来へ繋がると楽観的に考えていたようです。しかし、出場権獲得に失敗したことで契約交渉にも影響が出始めどんどん不安になっていき、母国フランスへ復帰する時がきたと感じるようになったと思われます。
バカンスから戻ると母国フランスのクラブから強い関心が寄せられており、これを受けてコシエルニーはクラブに退団の意思を伝えたとのこと。彼はこれまで9年間、プロ意識を持ってクラブに尽くしてきたことが円満解決の助けになると考えていました。
しかし、アーセナルはコシエルニーの要求を拒否します。クラブは現在の契約を尊重すると共に、今シーズンもチームの主力であり重要な存在として考えていると伝えたそうです。エメリは昨シーズンのコシエルニーのパフォーマンスにとても満足していました。また、既にCBには他の問題を抱えていることから、アーセナルが重要と考える選手に対する適切なオファーが届いた場合のみ移籍を許可する方針だったそうです。
ただ、コシエルニーとしては、クラブルは今夏の移籍市場でFAで移籍することに同意していたのに、その合意を反故にされたと主張しているとのこと。
アーセナルにはクラブが受け入れられる内容のオファーが届いているか、もしくは今後届くだろうとコシエルニーは考えていますが、その「受け入れられる内容」はあくまでも彼の主観的な判断です。そして、クラブ側は受け入れられるようなオファーは届いていないと主張しています。
今週の水曜日、コシエルニーはエメリと会談した際にアメリカ遠征に帯同しないことを伝えたらしいです。それを聞いたエメリは激怒したとのこと。フットボール部門の責任者であるサンジェイも、彼の行動にとても失望していると伝え、同行拒否は契約違反にあたると警告しています。
しかし、翌日にロンドン・コルニーを訪れたコシエルニーはさらに態度を硬化させており、遠征へ出発する飛行機には乗らないと改めて伝えたそうです。コシエルニーは遠征に帯同していない若手と共にトレーニングを行い、クラブからの懲罰が決定するのを待つことになるようです。
アーセナルとしては、CBの補強を進めている矢先の今回の一件に頭を悩ませています。既にサンテティエンヌからサリバの獲得で合意していますが、来シーズンはローンバックされるためアーセナルでプレーすることができません。
ホールディングは怪我から回復しつつありますが、マヴロパノスが成長し信頼できる選択肢となるかは不透明です。クラブはムスタフィの売却を進めていますが、契約は2021年まで残っており、さらに本人は退団を望んでいません。
(ソース:BBC)
アメリカ遠征の帯同メンバーを発表
レノ
マルティネス
メイシー
ベジェリン
ジェンキンソン
チャンバース
ムスタフィ
ホールディング
マヴロパノス
メドレー
コラシナツ
トンプソン
メイトランド=ナイルズ
ウィロック
ジャカ
オラインカ
ネルソン
スミス=ロウ
マルティネッリ
サカ
ラカゼット
エンケティア
ジョン=ジュールズ
(ソース:Arsenal.com)
毎回精度の高い情報を発信するオーンステインも上記のように書いていることから、コシエルニーがFAを求めて強硬手段に出たという話はかなり事実に近いと思われます…。