【アーセナル移籍ゴシップ】移籍市場の動きを総括、セドリックがローン移籍ほか

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公式:セドリックがフラムへローン移籍

アーセナルはセドリックがフラムへローン移籍すると発表しました。期間は今シーズン終了までです。

セドリックは2020年1月にサウサンプトンからローン移籍で加入したのち夏に完全移籍となりました。これまで通算59試合に出場しています。

昨シーズン後半はコンスタントにプレーしており、リーグ戦最後の17試合全てに出場しました。

(ソース:Arsenal.com

 

なお、移籍市場の情報に精通するファブリツィオ・ロマーノ氏によると、今回のローン移籍に買取オプションは付いていないそうです。

 

今夏に再びMF獲得に動く可能性

ファブリツィオ・ロマーノ氏がcaughtoffsideに寄稿しているコラム『 Daily Briefing』の中で、アーセナルの中盤補強について触れています。

アーセナルはブライトンのエクアドル代表MFモイセス・カイセド獲得に熱心でしたが、ブライトンがカイセドは非売品であるというスタンスを崩さず、2回提出したオファーはいずれも門前払いされました。

移籍市場最終日に三度目のオファーが出されるという見方もありましたが、最終的にアーセナルはカイセドを諦めチェルシーからイタリア代表MFジョルジーニョを獲得しています。

ただ、ロマーノ氏はアーセナルが今夏に再びMF獲得に動くだろうと述べています。現時点で誰を獲得に動くかを語るのは時期尚早だし直ぐには決まらないとのこと。

ジョルジーニョの獲得に関してはアーセナル・チェルシーの双方にとって素晴らしい移籍だと評価しています。

チェルシーは契約が残り半年の選手を売却して移籍金を手にし、アーセナルはアルテタ監督が非常に高く評価している経験豊富なベテラン選手を獲得できました。

(ソース:caughtoffside

 

1月の移籍市場の動きを総括(長文)

The Athleticがアーセナルの移籍市場における動きを総括しているので紹介します。

まず、1月の移籍市場でアーセナルがトロサール(28)とジョルジーニョ(31)そしてキヴィオル(22)の3選手を補強しましたが、移籍市場が開いた段階でベテランの補強に動くことは想定していなかったと思われます。

しかし、最終的にトロサールとジョルジーニョを獲得をしていますが、これは現在のアーセナルの立場を反映したものだとThe Athleticは分析しています。すなわち、プレミアリーグ制覇という超短期的な目標を達成するために必要なピースだったのです。

この二人の補強は当初から計画されていたのでしょうか? 答えはNOでしょう。アーセナルはシャフタール・ドネツクからムドリクを獲得しようと意気込んでいました。ムドリク獲得が失敗に終わると今度はブライトンのカイセド獲得に軸足を移しています。

最終的にクラブがトップ・ターゲットとしていた二人は獲得に至らず残念な結果に終わりました。アーセナルは今回の交渉から様々な教訓を得たことでしょう。

そもそも、例年のアーセナルであれば万が一に備えた慎重な動きをしていたと思われますが、今回の移籍市場でその選択肢があり得ないことをクラブも理解していました。

アーセナルは昨年1月の移籍市場で大失敗しており、その失敗の影響からCL出場権獲得を逃しました。昨年はCL出場権獲得が掛かった移籍市場でしたが今回はさらに重要なものが掛かっています。つまりプレミアリーグ優勝です。

リーグ制覇を達成するためには、この移籍市場でスカッドの選手層を厚くするという目標を達成しなければなりません。

 

ジョルジーニョの獲得はアーセナル・ファンの間でも賛否両論あるのは事実です。なぜなら、2020年にチェルシーからベテランのウィリアンを獲得して大失敗した苦い経験があるからです。

しかし、アルテタ監督とエドゥTDはファンの感情に過度の配慮をすることはできません。カイセドの獲得は無理だと判断した彼らは、長年追いかけていたジョルジーニョを獲得すべく迅速かつ現実的な動きを見せています。

ジョルジーニョの獲得はアーセナルの今後の計画に影響を与えることは無いでしょう。移籍金は1,200万ポンドと報じられていますが、アーセナルがプレミアリーグ優勝を果たすと1,300万ポンドまで上昇する可能性があるようです。クラブとしてはトロフィー獲得に成功するなら喜んで追加で100万ポンド支払うでしょう。

ジョルジーニョの獲得で重要なのは契約が短期契約ということです。18ヶ月+1年の延長オプションとなっているため、今夏の移籍市場では長期的な視点に立った補強に動くと思われます。ウェストハムのデクラン・ライスもしくはカイセドの獲得に再チャレンジすることになるでしょう。

ジョルジーニョはコパ・イタリア、ELおよびCL、そしてクラブW杯を制覇した経験があり代表ではEUROでも優勝しています。現在のアーセナルでここまで優勝経験の多い選手は殆どいないため、ロンドン・コルニーでは彼の加入をポジティブに受け取っているそうです。特に若手の多いアーセナルにとって優勝経験豊富なジョルジーニョは貴重な存在になると思われます。

なお、アルテタ監督はシティでアシスタント・コーチを務めていた頃からジョルジーニョ(当時はナポリ所属)を絶賛していたらしく、かつてシティが獲得に動いた際に最もプッシュしていたのがアルテタだったそうです。

シティは獲得寸前のところまで行っていたようですが、最後の最後にチェルシーが参戦してきて横取りされています。アーセナルはムドリク争奪戦で同じ経験を味わっています。

ちなみに、アルテタはジョルジーニョを獲得した際には6番としてプレーさせることを想定していたとマルカのインタビューで答えています。ワン・ボランチにジョルジーニョを起用して試合全体をコントロールするスタイルを想定していたのだとか。

アルテタはアーセナルの監督に就任してからもジョルジーニョ獲得を検討しており、2020年夏の移籍市場でも候補に挙がっていました。ただ、当時のチェルシーに放出の意思が無かったことからアトレティコ・マドリーのトーマスをバイアウトに行使により獲得しています。

このような経緯を経てついにアルテタはジョルジーニョを手に入れました。しかし、31歳になった彼がかつてアルテタが賞賛していたような働きを見せるかは未知数です。彼の獲得が賢明な判断だったかはピッチ上で証明されるでしょう。

 

1月の移籍市場を振り返ると、アーセナルは当初からMFの獲得を想定していた訳では無さそうです。移籍市場終盤になって慌ててカイセド獲得に動いたことからもそれが分かります。

クラブはエルネニーがトーマスを十分サポートしていると考えていたこともあり、ムドリク獲得に熱中していたのです。しかし、ムドリクをチェルシーに強奪され、移籍市場終盤にエルネニーが長期離脱するという事態に見舞われます。

ムドリク獲得に費やすはずだった莫大な移籍金が使えるようになったことで、クラブはトーマスのバックアップではなく後継者になれる選手を獲得する方針に転換します。そしてリストの上位にいた二人がライスとカイセドです。

ライスはすでに今夏の移籍市場における重要なターゲットとなっていましたが、降格争いをしているクラブがシーズン中にキャプテンを手放す可能性は殆どありません。ライス自身もクラブが正念場を迎える中でチームを去ることを良しとしなかったと思われます。

そこでアーセナルは選手自身が移籍を熱望していたカイセド獲得に動きます。最大でも7,500万ポンドほどで獲得したいと考えていたようです。高額な移籍金ですがプレミアリーグを席巻しているクラブでレギュラーを務めている21歳の選手に支払う金額としては妥当だという判断があったのだとか。

 

カイセド獲得の動きに関してはアーセナルにとってプラスな動きもありました。カイセドがエージェント事務所を変更したのです。しかも、そのエージェント事務所にはレアル・バリャドリードのイバン・フレスネダも所属していて既にアーセナルが接触していました。

当初はフレスネダ中心の話し合いでしたが、次第にカイセドが話題の中心になっていったそうです。

そしてアーセナルは満を持して6,000万ポンドの正式オファーを提出します。クラブもオファーが受け入れられるとは考えておらず、これを交渉の切っ掛けにしようと考えていました。

しかし、アーセナルの状況判断は誤りでした。ブライトンはオファー提出のわずか数分後に拒否してきたのです。そのうえカイセドは非売品だと通告してきました。

さらにアーセナルの誤算は続きます。アーセナルはムドリク争奪戦がメディアを賑わせたことから、カイセドに関しては慎重に動きたいと考えており、アルテタとエドゥはクラブ内での情報保持を徹底させます。しかし、アーセナルがオファーを出した夜にカイセド陣営が移籍希望を公にしたのです。これにより交渉がさらに複雑になってしまいました。

一夜明けてブライトンは移籍市場が終了するまでカイセドを自宅待機にします。かなり思い切った判断ですが、選手側からトレーニングへの参加拒否や試合出場を拒否するというカードが切られるのを事前に防ぐ措置だったようです。

ブライトンのオーナー兼会長のトニー・ブルーム氏はプロのポーカープレーヤーとして名を馳せた人物であることから、アーセナルはこれらの動きをハッタリだと思っていたようです。それを踏まえてアーセナルのティム・ルイス取締役がブルーム会長に電話連絡するも答えはNOでした。

門前払いされたにも関わらずアーセナルは再挑戦を決意し、二度目のオファーを提出します。今度は6,500万ポンド+アドオン500万ポンドという内容でしたが、これも即座に拒否されます。

ブライトン側はアーセナルが自分達の真意を理解していないことに困惑し、フラストレーションを感じていとのこと。アーセナルとブライトンはホワイトやトロサールの移籍で友好的な関係を築いていましたが、その関係にヒビが入ったとThe Athleticは見ています。

 

カイセド獲得が本当に無理だと分かったあと、次なる目標は移籍市場が閉まるまでの残り36時間で代わりのMFを獲得することです。

獲得候補としてレアル・ソシエダのマルティン・スビメンディやアヤックスのエドソン・アルバレスなどが候補に挙がるなか、アーセナルはスビメンディに設定された6,000万ユーロのバイアウトを行使することを考えたそうです。

しかし、選手側が夏まで残留する意思を示したことから破談となります。ローン先のブラックプールで大活躍中のパティーノを呼び戻すオプションもありましたが、クラブはパティーノの呼び戻しは検討しなかったようです。

その間も様々なエージェントからMFの売り込みがあったものの、どの選手もアルテタが希望するスペックを満たしていませんでした。ジョルジーニョ以外は。

 

最後はキヴィオルについてです。彼はアルテタの希望するプロフィールに合致した選手です。アーセナルは以前からガブリエウのバックアップとなる左利きのCBを探していました。その中でキヴィオルの名前が挙がったそうです。

エドゥは昨年12月の時点でキヴィオル側と接触しており、その後代理人をロンドン・コルニーへ招待して話を詰めていったとのこと。

キヴィオル獲得が発表されるとメディアやファンは大いに驚きました。事前に一切情報が洩れてこなかったからです。一部では守秘義務契約を結んでいたという報道もありましたが、キヴィオル側と情報保持の紳士協定を結んでいただけというのが真相のようです。

イタリアのメディアは移籍話に特にうるさいため、メディア対策をしつつ秘密裏に交渉を進めて獲得を実現させたことは素晴らしい成果だと言えるでしょう。

 

放出に関してはロコンガがクリスタル・パレスへローン移籍し、セドリックがフラムへローン移籍しました。特にロコンガの退団にはある程度のリスクが伴いますが、レギュラーとしてプレーしたいという本人の意思をクラブ側が尊重した形になっています。両者の夏以降の去就はまだ未定です。

右膝の怪我で長期離脱となっているエルネニーについては、リハビリの途中で放出するようなことはせず1年間の契約延長オプションを行使する方向で検討しているようです。

ジェズスの怪我によりFW獲得に動くのでは?と盛んに報じられていましたが、クラブ内で議論されることは無かったとのこと。これは素晴らしいパフォーマンスでジェズスの穴を埋めているエンケティアをクラブが高く評価している証拠です。

FWに関してはリーグ・アンでゴールを量産しているバログンを呼び戻すというオプションもありましたが、違約金が発生することや選手の成長にとって最適ではないとの判断から検討されなかったようです。

 

アーセナルはCB、MF、WGの補強により着実に選手層を厚くしました。ただ、最大の目標としていた選手を獲得することが出来なかったため、この失敗から学ぶ必要があるとThe Athleticは指摘しています。

現在のアーセナルではスカッド強化に繋がる選手に求められるレベルがどんどん高くなっていることから、クラブとして重要ターゲットとした選手を確実に獲得する術を学ぶ必要があります。

(ソース:The Athletic

 

 

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